ごく普通のワイン愛好者のための
 カリフォルニアワインへのいざない

少し前までのカリフォルニアワインの認識と言えば、
フランスより安くて果実味に満ちて楽しめるわかりやすいワイン、というものでした。

しかし、今やカリフォルニアワインはちょっと良いものになると一般的なフランスワインより高価なものも多く、
マニアックでわかりにくいワインではないでしょうか?

ここでは、そんな今までカリフォルニアを敬遠しがちだった一般ワイン愛好者のためにカリフォルニアワインへの新しい誘いをしたいと思います。

カリフォルニアワインの特徴

そうはいっても変わらないカリフォルニアワインの特徴があります。

それは、基本的にカリフォルニアはフランスよりも温度が高くブドウが完熟する、ということ

このことがカリフォルニアワインの最も大きな特徴です。まずここを押さえておくだけでもカリフォルニアワインを充分に楽しむことが出来ます。

収穫期の秋に雨がほとんど降らない、と言うこともフランスとのとても大きな違いです。

ですから、カリフォルニアではフランスよりもブドウの糖度が充分に上がります。

例えば、ナパ・ヴァレーのシャルドネはブリックスという糖度の単位で約24度ほどありますが、フランスのブルゴーニュ地方では18度ほどです。つまり約3割も糖度が高いわけで、その分ワインにボリュームがたっぷりとあって残留糖度によるほのかな甘みもあります。ただし、このことで逆に酸が少ない傾向があります。

カリフォルニアとフランスのぶどう畑の違い

カリフォルニア ナパヴァレー
スタグスリープの畑

ぶどうの樹は1.5m程度

 温度が高いことによって、ぶどう樹の植え方も変わってきます。フランスでは、ボルドーでもブルゴーニュでも、より多くの熱を果実に吸収させるために地面すれすれにブドウが出来るように整えます。そのことにより、土壌の微妙な変化にブドウが反映していく、といわれています。(テロワールの概念)また日光が葉によって遮られないように果実の部分には葉がかからないようにしています。

温度の高いカリフォルニアでは地面近くにぶどうを植えると暑くなり過ぎ、成熟途中に熱で果実が割れてしまいます。そのためにカリフォルニアでは地上1m位の所に果実がなり、適度に日が当たったり、風通しが良くなるように葉の量を調整しています。また、雨がとても少ない時期があるために灌漑設備を完備して最適な水分の供給が行われるように調整しています。

この植栽方法によって、よりぶどうの品種本来の味わいがカリフォルニアワインには反映されるようになります。

フランス ボルドー
CHラトゥールの畑

ぶどうの樹は60cm程度

また、最近の流行で新樽をふんだんに使う傾向があります。特にブティックワイナリーの特別醸造品ほどフレンチオークの新樽で20ヶ月〜30ヶ月といったとても長い期間漬け込んで熟成させています。フランスでは10ヶ月から18ヶ月程度が普通です。
このことによって元来コクの強いフルボディのワインがより一層しっかりとして体格が強くなり、赤ワインは限りなく黒に近い色合いで、樽香やバニラ香のはっきりしたものに、白ワイン(シャルドネ) もバニラ香やバターやクルミのようなまったりとした香りが充分に現れます

また、醸造学のクローン研究の成果として、瓶詰めしたらすぐにでも美味しく飲めるワインを造っています。これは最近ではフランスワインも徐々にその傾向が出て来つつありますが、若いカベルネタイプのワインがボリュームがあるにもかかわらずタンニンが柔らかで飲みやすい、という点ではカリフォルニアワインは随一です。ただ、銘醸ワインに30年以上の歴史がないためにオールドビンテージの楽しみがフランスワインのようにあるか、についてはまだ良く判っていません。

カリフォルニアワインのポジティブ・セレクション

何故カリフォルニアワインが難しくなってしまったのでしょうか?

それは、今までの大量生産の工業生産的ワインからブティックワイナリーによる小規模超優良ワインが多数生まるようにカリフォルニアワインが変革しているからです。

もちろん、ガロ社を始めとする以前までの工業的大量生産ワインも現在でも多数生産しています。しかし、チリや南ア等の新たな生産国がカリフォルニアよりもずっと安い価格でそのような工業的生産ワインを大量に生産することが出来るようになったことと、アメリカの好景気による価格上昇によって徐々に大量生産的ワインは新興国の役割に変わってきているのです。

そのような中で、アメリカでは近年の好景気により巨額の富を得た人達がカリフォルニア、特にナパ・ヴァレーにおいてブティックワイナリーを始めて、ほんの小さなワイナリーから最高の技術と資本をふんだんに使った超高級ワインを生産することが彼らにとっての新たなステイタスになったのでした。

 ちょうどまさにその同じ時期に、赤ワインブームがアメリカのジャーナリズムから世界中に発展しました。
 フレンチ・パラドックスという有名な赤ワインのポリフェノール成分の効果によって、心臓病等に効果がある、といった例のワインブームです。これも大きな起爆剤となり後押しをするようになりました。

また、カリフォルニア大学デイヴィス校といった、ワイン醸造学の最先端の研究機関も好景気とワイナリーの投資家達によって世界最高の醸造研究を行えるようになりました。

その結果として、最良の畑で造られた最良のワインのみを極少量選別して最高級のワインを造るようになりました。これがポジティブ・セレクションと呼ばれるカリフォルニアのスーパープレミアムワインです。これは、フランスのボルドーで一流シャトーが行っている出来の劣るワインを除外して樽売りや、セカンドラベルにまわす、ネガティブ・セレクションと逆の方法です。

 この極少量のスーパーワインはカリフォルニア・ワインの質の高さを世界中に知らしめることになり、マニア達の喝采を浴びました。ただ、それと同時にワインの名前や造り手、ワインメーカー(コンサルタント)などを覚えていくことがマニアの間で流行になったり、スーパーワイン自体が入手困難なことから、一般の人達に遠い世界の飲み物のようになってしまったのです。

ブティック・ワイナリーをひとつずつ確かめよう

そんなことで、カリフォルニア銘醸ワインの楽しみは、ブティックワイナリーをひとつずつ味わっていくことにあります。多くのブティックワイナリーではその手造りワインが年間生産量5,000ケース以下という規模がほとんどです。中には100ケース以下なんて所も!ボルドーの特級シャトーは50,000ケース規模のところが多いので、いかにカリフォルニアワイン銘醸が希少性が高いかわかるでしょう。

最新技術と人の手をたくさんかけて、生産家と醸造コンサルタント(=ワインメーカーと呼びます)の哲学を打ち出したワインがカリフォルニア・プレミアムワインなのです。

ブティックワイナリーでは\10,000以上のスーパー・プレミアムクラスと\2,500〜\7,000クラスのプレミアムクラスに大別できると思います。スーパープレミアムの渾身の逸品を楽しむのも良し、通常プレミアムクラスのものを多く比較していくのも良し、それぞれの楽しみ方が出来ることと思います。

基本的には、果実味に満ちた楽しいワインばかりですので、余り複雑に考えずに楽しまれることをオススメします。

主なブティックワイナリー紹介

左・Fコッポラ・メルロー
右・ルビコン
購入希望はクリックください

ニーバム・コッポラ ワイナリー 
Niebaum~Coppola 
 Estate, Vineyards & Winery  Rutherford - Napa valley 

「ゴッド・ファーザー」、「地獄の黙示録」等で有名なあのフランシス・コッポラ監督が所有するカリフォルニアのワイナリーです!
ワイナリーはナパ・ヴァレーの中心地Rutherfordにあります。彼の映画「タッカー」で使用された自動車が展示してあったりで楽しい所です。

当店扱いのワインも\2,380のメルローから最高級品のルビコンまで様々あり、カリフォルニアワインの本質を楽しめます。ワイン通でなくとも話題性があり、当店でも一番人気のワイナリーです。

最高級のルビコンは、全米最高のワインメーカー(コンサルタント)といわれるトニー・ソーターが醸造に携わります

パワーのあるボルドータイプのワインを造ります。


フランシス・コッポラ監督
左・カベルネ・ソービニヨン
右・シャルドネ
購入希望はクリックください
フロッグス・リープ ワイナリー
Frog's Leap 
Winery  Rutherford - Napa valley 

 今や日本でもとても人気のあるフロッグスリープはジョン・ウィリアムス(作曲家ではありません)が1981年に設立しました。
 「飛び跳ねるカエル」という、なんともユニークな名前のワイナリーです。
ワイナリーになる以前、この場所はカエルの養殖地でした。

 個性あるラベルデザインは、National Graphic Design賞を受賞してスミソニアン博物館にも展示されています。
 
ジョン・ウィリアムスは土を食べてしまいそうなほど土壌をこよなく愛し、無農薬有機栽培でワインを造り上げます。
パワーだけでない繊細さを持つボルドータイプのワインを造ります。

Webページもとても楽しくCoolな仕上がりです。


土壌をこよなく愛する
ジョン・ウィリアムス

左・ピノ・ノワール Stマリア
右・シャルドネ Bナシード
購入希望はクリックください
オー・ボンクリマ ワイナリー
 Au Bon Climat 
Santa maria Valley Central Coast

 ワインでABCといえば、このオー・ボンクリマ(フランス語で素晴らしい気候)のこと。
 ブラインドでロマネ・コンティと間違われた逸話を持つワイナリーです。
 長髪のセントラル・コーストの怪人ジム・クレンデネン氏が造ります。彼は、フランス・ブルゴーニュで幻の名匠アンリ・ジャイエに指導を仰ぎ1982年ワイナリーを開きました。

 ナパ・ヴァレーより冷涼なセントラル・コーストからしっかりとしたブルゴーニュタイプのエレガントなワインをつくります。


長髪の怪人
ジム・クレンデネン

左・ピノ・ノワール C.コースト
右・シャルドネ Mtハーラン
購入希望はクリックください
カレラ・ワイナリー
Calera 
Winery Mt. Harlan Central Coast

 エール大学とオックスフォード大学で学んだインテリがワイナリーを始めた典型的な新しいタイプのワイナリー。

 J.ジャンセン氏はドメーヌ・ロマネコンティで修行の後、石灰岩土壌を求めて人工衛星まで使って現在のセントラル・コースト、マウントハーランのワイナリーを始めました。実際にロマネ・コンティのぶどうの木を植えている、という噂もあります。


カレラの由来となる石灰質の釜と
J.ジャンセン

ナパ・ヴァレーを訪問しよう

 カリフォルニア、特にその中でもナパ・ヴァレーのワイナリーはサン・フランシスコからも近く、一般の観光客にもほとんどがとてもオープンに公開されています。
 そしてこの地域はアメリカでも唯一(?)食事の大変に美味しいところなので、是非一度訪れてみることをオススメします!そうすれば、カリフォルニアワインの魅力に憑かれていくとも簡単です。

ナパヴァレーの説明ページは、こちらから

 

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